リカバリーウェアはなぜ高い?ワークマンはなぜ安い?

リカバリーウェア
リカ太郎

某医療機器メーカーで商品開発を担当。
自称「リカバリーマスター」
もしリカバリーウェアについてのクイズ大会があったら優勝できます。

ワークマンが上下で3,800円という驚きの価格で参入したきたこともあり1,2年前よりは相場が下がってきた印象ですが、それでも上下で2〜3万円という価格が普通となっているリカバリーウェア。

なぜリカバリーウェアは高価なのか?」そして「ワークマンはなぜ安いのか?」について、医療機器メーカーの開発担当者がこっそり解説します。

高価な理由① 医療機器なので仕入れルートが限定される

詳しくは⇩の記事で解説していますが、多くのリカバリーウェアは厚生労働省の分類上「一般医療機器」に属します。
「リカバリー」という言葉自体に医療機器という意味は無いため、一般医療機器として届出をしていないリカバリーウェアも存在しますが、筆者の感覚では9割以上が一般医療機器を謳っています。

医療機器だから高価なんです。なぜ高価なのかを説明すると非常に長くなるので簡単に言うと、
医療機器としてウェアを製造できる医療機器メーカーが非常に少ないから」なのです。

上の記事でも解説している通り、ほとんどのリカバリーウェアブランドは自社で商品を作っているわけではありません
※自社で作っているブランドもあります。ベネクスコラントッテなど

「医療機器製造販売業許可」を取得している医療機器メーカーへ製造を委託し、出来上がった商品を仕入れているわけです。

「医療機器製造販売業許可」については別の記事で詳しく書きたいと思いますが、アパレルブランドなどが簡単に取得できる資格ではないので、自社で医療機器ウェアを作ろうとしても作れないわけです。
作れたとしても医療機器として届出ができないので信憑性が薄い商品になってしまいます。

そのため医療機器メーカーに製造を委託する必要があるのですが、リカバリーウェアというのは比較的新しいカテゴリのため数ある医療機器メーカーの中でもウェアを製造できるのは一握りとなっています。

また、医療機器メーカーにつながる仕入れルートは大抵の場合、商社や問屋、繊維メーカーや代理店が握っているため医療機器メーカーに直接商品製造を依頼するのは難しく、間に数社を挟むのが一般的です。

医療機器メーカーにつながる仕入れルートは大抵の場合、商社や問屋、繊維メーカーや代理店が握っているため医療機器メーカーに直接商品製造を依頼するのは難しく、間に数社を挟むのが一般的

仕入れルートが複雑化することで中間コストが高額になり、結果的に商品の仕入れ原価が高くなってしまいます。
つまり「原価が高いから高く売らざるを得ない」という状況が発生しているのです。

(ここまで解説しているブログは多分無いと思います…)

高価な理由② 特殊な素材や縫製によりコストがアップ

リカバリーウェアは様々な鉱石などを生地に配合することで体から出る遠赤外線を輻射して血行を促進することで、疲労回復やコリの緩和などの高価・効能があるとされています。

使用する鉱石の中で最も一般的なのはセラミック(セラミックス)です。
比較的安価で生地に配合することができ、エビデンスも豊富なためほとんどのリカバリーウェアにセラミックが使われています。

ゲルマニウム鉱石。微粉砕して生地に配合する

セラミックよりコストが高い素材としてゲルマニウム、グラフェンなどがあり、これらの素材を使用することで商品価格も高額になるケースがあります。
※高価な素材ほど遠赤外線効果が高いというわけではありません。配合量や配合方法により効果は異なります。

レーヨン。シルクのような光沢がある

また、生地の素性に「レーヨン」を使用することで吸湿性・放湿性がアップし、シルクのような高級感が出ますが、ポリエステルよりコストが高くなります。

大手のリカバリーウェアブランドなどは効果・効能以外に「着心地」を重視していますので、例えば脇の部分に縫い目が無い「丸胴仕様」など縫製にもコストをかけています。

なぜワークマンは安くできる?

ここまで読んでいただいた方は「じゃあなんでワークマンは安いんだよ」と思われているかと思います。
理由として考えられるのは下記の3つです。

超大量仕入れによりコストダウン

とにかくこれに尽きます。ワークマンは公式発表で2025年冬だけで約400万枚が入荷予定としています。
また、今後の展開として「年間2,000万枚以上の生産能力を確保した」と発表しました。
これははっきり言って異常な数字です。凄まじいです。
仮に6年間このペースを維持すると全国民に1着ずつ行き渡るわけですからね。

ワークマンは医療機器製造販売業許可を得ていないブランドですので医療機器メーカーを通して商品を買っているわけですが、それでもこれだけの数量を作るとなると1着あたりのコストは大幅に下げることができます。
2,000万着仕入れるから安くしてよ」という交渉が可能なわけです。

広告をあまり打っていない

ワークマンは他の大手リカバリーウェアブランドと比較し、テレビCMなどの広告にあまり力をいれていない印象です。
「広告費が売上の3割以上」みたいなケースも多々ある業界ですので、元々の知名度により広告費を抑えられるというのは非常に大きなアドバンテージですね。

素材や組成は普通

ワークマンのメディヒールに使用されているのは前述した通り最も一般的でコストを抑えられる「セラミックス」です。
また、生地の組成は「ポリエステル80%、綿20%」です。※モデルにより異なる場合あり
これはリカバリーウェアの中では最もベーシックな組み合わせとなります。

素材にそこまでコストをかけていないのが3,800円という価格を実現できる大きな要因の1つと考えられます。

最後に

一般的なリカバリーウェアが高価な理由とワークマンが安価な理由をめちゃくちゃ分かりやすく説明したつもりですが、ご納得いただけたでしょうか?
リカバリーウェアを選ぶ上で重要なのは「価格と機能のバランス」です。
そのうち選び方も詳しく解説しますので期待してくださいね。

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